クリニック内部の透析室では、ベッドを2列に並べて一直線の空間とし、患者さまへのケアが行き届くようにレイアウトしました。さらに暖房時と冷房時の空調解析を行い、室内環境が均一になるように空気の流れをコントロールして、快適な透析治療の時間を過ごせる空間を創造しました。また、1人に1台の液晶テレビも備えられています。
明るく清潔なナースステーション。患者さまにすぐに対応できるように、透析室に隣接した場所に設けられています。
受付はフットライトや間接照明で、緊張をほぐし落ち着いた気持ちになれるように考えています。
身のまわりから、四季や自然、光と影がおりなす「うつろい」や「あや」のようなものが感じられなくなっています。ここは甲州街道に面したクリニックであるため、正面のファサードは、屏風のしつらえをイメージしました。光の屈折や反射や映り込みを通じて様々に変化し、いろいろなものごとを映し出す鏡のようでもあります。日々、時々、分々、秒々まで同一の風景がなく、自然のうつろいを情報として発信する空間として、街行く人々や訪れる患者さまを癒やします。
建築家 新居千秋
http://www.chiaki-arai.com
黒部市国際文化センターで1996年日本建築学会賞作品賞受賞、横浜赤レンガ倉庫で2004年日本建築学会賞業績賞・第2回Ecobuild賞など受賞、大船渡市民文化会館・市立図書館で日本建築大賞2009・第51回BCS賞など受賞、由利本荘市文化交流館で日本建築家協会賞など受賞。他グッドデザイン賞、照明普及賞（優秀施設賞）、AACA賞など。
